患者さんへ

「補綴歯科専門医」という名称の問題

2023.08.11


「補綴歯科」という言葉は一般の患者さんにはなじみがないかもしれません。簡単に言うと、入れ歯を作ることを指します。入れ歯の作成は機能回復に必要ですが、病気の治療とは異なります。そのため、医療行為とは認識されていません。しかし、歯科界ではこの非医療行為に対して「専門医」の資格を設けてしまいました。

 整形外科の例を考えると、義肢(手や足を失ったときに作る義足や義手)の必要性が生じることがあります。整形外科専門医は存在しますが、「義肢専門医」という資格は存在しないのです。義肢の適合性を判定する「義肢装具等適合判定医」はいますが、一般的にはそれを「専門医」とする発想自体がないでしょう。

 このような背景を踏まえると、歯科界で入れ歯の「専門医」を設ける必要性に疑問が生じます。実際、入れ歯を作成するのは歯科医師ではなく、技工士が行い、患者さんに直接装着するのが適切ではないでしょうか。私の師匠の飯塚哲夫先生は、歯科界にさまざまな提言をしていますが、50年前からこのことを言い続けています。
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