「どのくらいもちますか?」
患者さんからよく聞かれることです。テレビや雑誌でよく用いられるのは、北海道大学が出した論文のデータ(2008年)です。
「10年の推定生存率」(生存率という言葉は本来不適当です)は以下のような結果でした。
・メタルインレー(金属の小さいつめもの) 67.5%
・メタルクラウン(金属の大きいかぶせもの) 55.8%
・メタルブリッジ 31.9%
これは、小さな金属をうめても、10年したら10歯のうち3歯はダメになるということです、ブリッジに関しては、10年したら10ケースのうち7ケースはダメになるということです。これは札幌市内のある歯科医院でとったデータをもとにしていますが、この歯科医院が特別というわけではありません。
一方、私が研修させていただいた埼玉の口腔研クリニック(旧渋谷病院)で1996年にとったデータがあります。北大の論文とはデータの処理の仕方は違いますが、その結果は
・メタルインレー 2080歯中(1-25年経過) 経過不良57歯 3.7%
北大の出したデータと比べると、おどろくほどいい結果です。口腔研クリニックの感覚では、メタルインレーが10年でダメになるということは普通はないというものです。それでも口腔研のデータをみて、当時渋谷病院院長の飯塚哲夫先生は激怒しました。結果が悪すぎると。
残念ですが経過不良は当院でもあります。
経過不良があった場合、その患者さんには本当にもうしわけないですが、次からは同じことを繰り返さないようにと考えています。